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田中彩子さんインタビュー

公開日:2025年12月12日コラム

とにかく聞く、そして話すことが語学学習では大切!
Listening and Speaking: the Most Effective Way to Learn a New Language

世界的にもめずらしい歌声「ハイ・コロラトゥーラ(ソプラノの中でもさらに高音域の超絶技巧)」の才能を認められ、ウィーンを拠点に活躍するソプラノ歌手の田中彩子さん。ヨーロッパを中心に、中南米、日本国内でもコンサートに出演し、国際的なキャリアを築いています。18歳から海外で暮らし、各国の言語と格闘してきた田中さんに、語学習得の極意について聞きました。

田中 彩子(たなか・あやこ)

田中 彩子(たなか・あやこ)

[ Profile ]

京都府出身。18歳で単身ウィーンに留学し声楽を学ぶ。22歳のとき、スイスベルン州立歌劇場にて上演された『フィガロの結婚』でデビュー。その後も高音と演技力を求められる役で次々と成功を収める。日本では2014年にアルバム『華麗なるコロラトゥーラ』でデビュー。ウィーンを拠点としながら、コンサート・ソリストとしての活動を中心に、ヨーロッパや日本、南米各地で公演を行っている。社会貢献活動も積極的に行い、2019年Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100」に選ばれた。

世界的にもめずらしい声を見出され、声楽の道へ

私は、両親ともに英語好きという環境で育ちました。父はサイモン&ガーファンクルのファンで、ドライブに出かけるときはいつも彼らの曲をかけており、母は近所の子どもを集めて英語を教えていました。また、私には兄が2人いますが、2人とも高校卒業後アメリカに留学。ときどき送られてくるお土産に海外の匂いを感じたことを覚えています。

ですが、両親からは一度も「英語を勉強しろ」と言われた記憶はありません。母が英語を教えていたときも、幼い私は母のそばにくっついて聞いていただけ。そのとき真面目に勉強を始めていれば、もっと早くから話せていたに違いありません(笑)。でも、兄たちと同じように18歳で日本を離れ、いざ外国語を身につけようと思ったとき、スムーズに習得できたのは、やはり幼少期の経験があったからかもしれません。

音楽の都と呼ばれるオーストリアのウィーンへ留学を決めたのは、高校3年生のときです。3歳からピアノを習い、将来は音楽を仕事にしたいと考えていましたが、私の手は小さく、プロになるのは難しかった。ところが、試しに歌の先生にみていただくと、ピアノの鍵盤の一番高い音まで声が出て、「この声(コロラトゥーラ)を出せるのは世界的にもめずらしい!」と。そうであれば、声楽家として芽が出るかもしれないと、声楽に転向したのです。

ただ、人前で歌ったことがなく、なかなか実感がわきません。それが、先生の誘いで研修生としてウィーンに降り立ったとき、霧がかかっていた視界が晴れるように、この地で歌う自分の姿が想像できたのです。「勉強するならここだ!」と思った瞬間です。

憧れが日常になったとき突然、孤独を感じた

留学までの3か月、付け焼き刃でもオーストリアの公用語であるドイツ語をなんとかしなくてはと、早速、レッスンで交わすであろう言葉を日本語でノートに書き、その横に辞書で引いたドイツ語を並べました。先生に何か言われたらノートで確認し、言っていることがわからなければノートを差し出し、先生に指さしで教えてもらう計画でした。

さらには、生きていくためのドイツ語も必要です。スーパーで言葉が通じず、店員さんにため息をつかれると自分も落ち込み、今まで何気なく過ごしてきた日常は、言葉を理解していたからだと気づきました。

最初の1年は、それこそ今日を生きることに精一杯。毎日の生活はもちろんのこと、語学学校の授業の宿題も、歌のレッスンも大変でした。夜になると体力を使い果たしてへとへと。目の前のことに追われる日々でした。

しかし、3、4年目に入り、ドイツ語にも慣れて、憧れのウィーンでの暮らしが当たり前になったとき、急に孤独を感じ、異国の地に一人でいることや、先行きに不安が出てきて、どんどんネガティブになっていきました。それでも日本に帰りたいと思ったことは一度もありませんでした。心のどこかで「私ならきっとできる」と信じていたからです。

英語は世界中どこでも人とつながれる言語

歌においてもっとも大事なのはやはり言葉です。実際、どんなに上手に歌っても、発音をパーフェクトにしなければ、ヨーロッパの言語を母国語にする人たちには及びません。その感覚を磨こうと、イタリア語、フランス語、スペイン語で歌うときは、それぞれの国の人に歌詞を読んでもらい、耳で覚えてコピーするということをひたすら続けました。

そのうちにコピーだけでは個性が出ないことに気づき、意味を辞書で調べ、歌詞の内容をきちんと理解して、徐々に自分の感情をのせていきました。わからない言葉に出会ったときは話せる人をつかまえて、「ちょっと1回読んで!」とお願いする。それはヨーロッパで20年以上暮らしている今も続けています。

英語に関しては、歌で使う頻度はそれほど多くありませんが、世界中どこへ行ってもつながれる言語であり、英語ができると共演者とうち解けるスピードも早いので、やはりできるに越したことはないと勉強を始めました。今はSNSで発信するときも、日本語と英語を併記してメッセージを伝えています。

語学学習の近道はとにかく聞くことと、話すこと。そして、自分の気持ちを伝えることが大切です。文法や単語が間違っていても気にすることはありません。私もその一人でしたが、そのうちに話せるようになっていきましたから。

自分にしかないものを磨いたら世界が応えてくれた

デビューが決まったのは22 歳のときです。私が受けたコンクールの審査員から、オペラ『フィガロの結婚』に出ませんか? とのお話をいただき、歌の勉強を始めて4年でプロに。その後もオペラ作品への出演が続きましたが、そこでまた一つ葛藤が生まれました。

コロラトゥーラ・ソプラノのような超高音域の歌い手はオペラの場合は歌える曲や役も限られています。普通のソプラノ歌手としても活動できるようにキーを下げることも考えました。でも、やはり自分にしかない声を磨かなければ、音楽業界で生き残ることはできません。そこで、ソロでのコンサート活動を視野に声の音色を育て、自分の声に合う曲にチャレンジし続けた結果、世界各地からオファーをいただくようになったのです。

今なお大切にしているのは、自分らしさであり、自然体でいること。歌はからだが楽器であり、その人の考え方や性格が直接、声の音色に出ます。だからこそ、私自身が心穏やかに、リラックスしていないと観客に思いを届けることができません。言ってみれば、「マイペース」を守れることが私の強みなのかもしれません。

これからも音楽を通してさまざまな国を訪れ、その土地や人を知りたいと思いますし、同時に、日本のことも知ってもらいたい。できれば「日本に行ってみたい」と感じてもらえたらうれしいですね。そのためにも、もっと語学を学んでいきたいと思います。

Message

世界は広く、無数の道があります。英語はその扉を開く鍵。だからこそ、英語ができるかどうかはとても大きいと思います。でも、「やらなくては」と自分を追い込むのではなく、楽しみながら身につけてほしいですね。ワクワクしながら学び、外の世界にたくさん挑戦して、そして、環境も文化も違う国の人と言葉が通じる感動を、ぜひ味わってください。

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