秋元才加さんインタビュー
公開日:2023年2月13日コラム
世界を広げる最強ツール - それは英語! - The Strongest Tool to Expand Your World - English!
父が日本人、母がフィリピン人という2つのルーツをもち、小さい頃から英語に親しんで育った秋元才加さん。アイドルグループAKB48を卒業後は俳優、タレントとして多方面で活躍中です。2020年にはハリウッド映画に出演、カナダで1カ月の撮影に臨みました。本格的に英語の学び直しをスタートした秋元さんに、今の英語ライフについて聞きました。
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秋元 才加(あきもと・さやか)
[ Profile ]
1988年フィリピン・マカティ市生まれ、千葉県松戸市出身。父が日本人、母がフィリピン人。2006~13年はAKB48で活動、その後俳優として映画・ドラマ・舞台に出演。2020年映画『山猫は眠らない』でハリウッドデビュー。2020年結婚。2022年『鎌倉殿の13人』巴御前役でNHK大河ドラマ初出演。2022年からNHK高校講座『歴史総合』にMCとしてレギュラー出演するなど幅広く活動中。
大きかった「耳からの影響」
両親と私、弟、家族の会話は日本語でしたが、小学校に上がる前からわが家ではいつも『キラキラ星』の英語バージョンなど、英語の歌がカセットから流れていました。今思えば、母には子どもたちに「耳から英語を覚えてほしい」という思いがあったのでしょう。当時は年に1、2回、家族みんなでフィリピンの母の実家に2週間ほど滞在しました。私はタガログ語が話せないので、親戚や近所の人たちとのコミュニケーションは英語でした。私が小学1年生のある時、海でおぼれかけたことがありました。とっさに「Help! Help!」と必死に叫んで助けを求めたと、母はよく私に話してくれました。娘が小学1年生で英語を身につけたことがうれしかったのでしょうね。
英語の発音をほめられることは多かったですね。聴く音楽も邦楽より洋楽。小さい頃からマイケル・ジャクソンの曲で歌ったり踊ったりするのが大好きでした。
AKB時代、きちんとした英語が話せなくても「発音がいいから」と、アメリカやフランスなど、海外公演の時にセンターをつとめたこともありました。それも英語の「音」を聞いて育ったおかげかもしれません。
勉強意欲に火がついた!
もともと英語を勉強したい気持ちはあったのですが、ついつい先延ばしになっていました。そんな中、2020年にハリウッド映画『山猫は眠らない』のオーディションに合格、1カ月ほどカナダ・バンクーバーで撮影をすることになりました。
しかもマネージャーさん無しの単身滞在です。「これは英語を学ぶ絶好のチャンス! 神様からのプレゼントに違いない」と、集中的にレッスンを受けました。
オンラインの個人レッスンを1日2~3時間。最初のうちは理解できないことも多くてめげそうになりましたが、かえってそれが自分の勉強意欲に火をつけてくれたように思います。
最近、母に「英語が上手になってきたね」と言われました。やっぱり母は英語の方が得意なので、日本語で説明してみて「あ、うまく伝わっていないな」と思ったら英語に切り替えて、より細かいコミュニケーションができるようになったと感じます。
母が日本語を習得することがいかに大変だったか、自分が大人になって語学を学び始めて、ようやく分かった気がします。そういうことも含めて、今とても楽しく勉強できていると思います。
語学を通じて自分を知る
撮影現場では通訳の方に付いていただきましたが、私としては、間違ってもいいからできるだけ自分の言葉でコミュニケーションしようと心がけました。
現地では、日本では自分のウィークポイントだと思っていたことが「それがあなたの長所よ」と言われ、「文化が違えば自分の見え方も変わる」ということを実感。自分のことをより好きになれました。
滞在した1カ月、生活上のトラブルもそれなりにありました。そんな時、たとえつたない英語でも、自分の言葉で伝えようとしたことが、とても勉強になりました。
今も基本的に毎日、お仕事の空き時間をみつけてオンラインで60~90分のレッスンを続けています。レッスン中は先生から質問されることがすごく多いんですよね。「あなたは今日、何をしましたか?」「なぜそれを選んだのですか?」「どうしてそれが好きなのですか?」などなど、日本語でも説明しづらいような、思わぬことを突っ込まれることがよくあります。その質問に対して英語の答えをひねり出しているうちに、ふだんから英語で考えるくせがつきました。
最近は「私が今言いたいことって何?」「私ってどんな人間?」と英語で深掘りしていくのも面白くなってきました。語学を通じて新しい自分を発見できました。
英語の楽しさを伝えられる人になりたい
海外では言葉がつたなくても助けてくれた外国人の方がたくさんいました。自分もそういう経験をしてきたので、私も日本で困っている外国人に手を差し伸べられるようになりたい、と思っています。私自身が日本とフィリピン、2つの国にルーツを持っているということもあって、もっといろいろな国の人に日本を好きになってもらいたい、という思いがあります。
英語が自由に使えれば、日本の良いところを自分の言葉で海外に伝えられます。「英語」というツールが共通言語として欠かせない時代になってきています。英語によって視野が広がれば、世界がより身近に感じられます。
たまに海外で仕事をした時や、海外からメッセージが来たりした時にSNSで英語でつぶやくと、やはり日本語の投稿とはけた違いのたくさんの反応があります。
英語を身につけることで活動範囲が広がって、お仕事でも選択肢が増えるのはうれしいですね。いつでも海外のオーディションに挑戦できる状態にしておきたいし、英語は今後も一生学び続けたいと思っています。
子どもたちに「英語が話せると世界が広がるよ! 楽しいよ!」ということを伝えられるお姉さん的な役割ができたらいいなと思います。キッズ向けの英語番組など、機会があればどんどん挑戦していきたいと思います。
Message
私自身、もっと若い頃から英語を勉強したかったと、今つくづく思います。自分の子どもには絶対に英語を身につけてほしいですし、母国語以外の言葉を学んで多様な考え方に触れてほしい。親御さんは、たとえ今、お子さんが少々レッスンに乗り気ではなくても、いつか必ず、感謝される日が来るはず! そう信じて、ぜひ長くレッスンを続けていただきたいと思います。