Plant hunter/My English Skills 英語のしごと
公開日:2025年7月7日コラム
英語で将来どんな仕事ができるのだろう? このシリーズでは、英語を使う仕事を紹介します。
地球上でもっとも大事なものを仕事にしていると思う

西畠 清順さん
Plant hunter(プラントハンター)
西畠 清順(Seijun Nishihata)さん
世界中を旅して植物を収集し、さまざまなプロジェクトに応じて植物を届けるプラントハンターとして、2012年にそら植物園を設立し、たくさんの植物の国際取引やプロジェクトに携わっています。さらに近年では、植物のあらゆる可能性に挑戦する「office N seijun」を創業して、自然・環境に関わる幅広い活動をしています。
そら植物園株式会社 https://from-sora.com/
株式会社office N Seijun https://o-seijun.com/
「プラントハンター」とは
伝統的には、17世紀から20世紀にかけてヨーロッパで盛んだった職業で、貴族や王族の依頼を受けて世界中から食料・香料・薬などの有用植物、観葉植物を集めていました。現代では公園づくりやイベントなど、社会に広く必要とされる植物を届ける人を言います。
プラントハンターになろうと思ったきっかけ

西畠さんがキナバル山に初めて登ったのは21歳のとき。植物に「物心つく」きっかけとなったボルネオの食虫植物ネペンテス・ラジャ(世界一大きなウツボカズラ)。
オーストラリアの語学学校で英語を学んだあと各地を転々と旅し、東南アジアのボルネオ島(マレーシア)でキナバル山に登りました。東南アジアですごく高い山、「秘境」っていう感じがして面白そうだなと思って。登っていくうちに雲の上あたりで、でっかい食虫植物(ウツボカズラ)に出会って驚きました。大きなものは高さ30cm、ネズミや鳥が入ることもあります。出会いは衝撃的でしたね。150年以上も続く植木卸問屋の家業を継ぐ気持ちはありましたが、それまではあまり植物に関心がありませんでした。でも、このときの感動がきっかけで植物っておもしろいなと思うようになり、夢中になりました。
世界を旅するプラントハンターに英語は必要不可欠!

2014年にオーストラリアで、ボトルツリーをハンティングした時の様子。
現地の植物を採集して国外に送るための手続きには、きちんとした英語が必要です。英語は現地の人との関係を深めるためのコミュニケーションの手段ですね。英語を話せなかったら今の自分はないです。英語でのコミュニケーションを通じて、その土地の人の考え方やライフスタイルを学ぶことができ、今の仕事にも役立っています。
Don't Worry, Be Happy. オーストラリアでの留学生活

約1年間、旅をしながらの生活だったオーストラリア留学時代。
日本の高校を卒業して、オーストラリアの語学学校に留学しました。世界各国からの学生と一緒に住んだり、旅をしたり、いろいろな楽しい体験をしました。オーストラリア人や外国からの留学生たちは基本、何事にもくよくよしません。彼らに感化されて、「Don't Worry, Be Happy.」という考え方や生き方を学びました。
これまでの仕事で印象に残っていることは?
日本の桜が一番好きです。海外に行くと日本の四季をあらためて感じます。東日本大震災の翌年、東京・有楽町に日本中の桜を集めて開花させるイベントで、「日本はひとつ」という復興祈願のメッセージを発信しました。ほかに印象に残っていることというと、たくさんあって......。最近で言うと、大阪・関西万博のフランスパビリオンで、現地から運んできた樹齢1000年を超えるオリーブの木を植えました。
箭内道彦氏らとともに挑んだ「桜を見上げよう。」Sakura Project。
フランスパビリオンの中庭に移植された巨大なオリーブ。見る人を圧倒する。
仕事の合間をぬって家族と自然豊かな海外へ

間近で見る野生のガラパゴスアシカ。
普段はホテル住まいが多く、仕事で海外にいることもあって、なかなか家族との時間が取れないんですが、最近では11歳と5歳(取材時)の子を連れてアマゾン(南米)やガラパゴス(東太平洋上)に行き、10日間ほど一緒に過ごしました。世界は広いってことを知ってもらいたいし、子どもたちの前で、英語で話している自分の姿を見てもらいたいとも思っています。
これからの夢、やりたいこと

「ひとの心に植物を植える」ことや「植物で世界を変える」「植物で社会に影響を与える」という思いで仕事を続けています。各国の政府や会社などに待ってもらっている仕事を完成させるのはもちろん、個人的にやりたいこと、夢もたくさん考えています。たとえば、植物と土の中の微生物との関係を調べて、「健康で長寿になれる庭」を作れないかなとか。
子どもたち、読者へのメッセージ

西畠さんと一緒にフジを植える参加者。ショベルで土を掘ったり、苗木を持ったり、小さなプラントハンター体験を楽しんでいました。「Hibiya Art Park2025― 訪れるたび、アートと出会う1ヶ月 ―」の開催に先駆けて、そら植物園が2025年4月16日に東京・日比谷公園で行った植え込みのワークショップにて。
夢をかなえられるのは、ひとつのことに夢中になっている人で、何かに向かって迷いなく進んでいる人だと思います。失敗してもいいから挑戦すること。悩んでいて一歩も踏み出さないことが最大の失敗!一歩踏み出して、たとえうまくいかなくても、それはいい経験になると思います。

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