昔から憧れている人がいる。
テレビの向こうでギターを弾く彼女に、
なかば恋のように夢中になった。
メイク、ファッション、ライフスタイル…。
彼女にまつわる色々なことがステキに思える。
昨日は友達に「最近の瑞希、雰囲気が『あの人』っぽいよね!」
と言われて、ちょっと嬉しい。
…でも、やっぱり何かが足りないなあと感じて、気付いた。
私はギターが弾けない。
これでギターが弾けたなら、
もっと彼女のようにステキになれるんじゃない?
家へと向かう狭い路地に面した楽器店のガラスケースに、
ぴかぴかと輝くサックスが飾ってある。
上司に連れて行ってもらったジャズバーで
始めて見たサックスを吹く女性。
その音色と姿の虜になって以来、ずうっと気になっていたそれを、
自分へのご褒美として購入した。
長く関わってきたプロジェクトが、ついに今日、日の目を見たのだ。
昔から飽き性と言われて来た私が、根気よく粘って手にした成果。
スキップしてしまいそうなくらい良い気分!
今ならきっと続けられる。
俺の部屋にあるギターを見た彼女が
「ギター、弾けるんだ?」と訊いてきた時、
思わず「昔はバンドもやってたんだぜ」と、言ってしまった。
本当は弾けないんだけど、つまらん男の意地ってヤツだ。
数年後めでたく、彼女と結婚することになり、
彼女と共通の友人が、サプライズで弾いてあげなよ、と言ってきた。
今更後には引けない...。
式当日までに、なんとかしないと。
静かな講堂に、数式を書き出すチョークの音のみが響く。
ここで私の講義を聴いている学生達は、
私のことを「数学のことしか頭にない堅物の大学教授」
だと思っているのだろう。 確かにそれも私の顔のひとつ。
だが、休日、チョークの代わりにスティックを握れば、
もう一人の私が目を覚ます。
激しくドラムを打ち鳴らす私の姿を目にすれば、
彼らはどんな顔をするだろう?
土曜の午前、A子に誘われて観た映画。
その中に登場する、主人公が弾くチェロのやさしい音色にやられた。
一目惚れだった。
映画後のランチ、買い物、行きたかったカフェ、
その間ずっと、頭の中では“華麗にチェロを弾く自分”の妄想に囚われていた。
突然、「ねえ、聞いてる?」というA子の言葉が私を現実に押し戻す。
ゴ、ゴメン、あわてて何か話そうとするとするが、
とっさに言葉が出てこない。
「ねえ、一緒にチェロ習ってみない?」 と、
もう一度A子が言った。
あっ、「わ、私もいまそう思ってたの!」
そう返す自分の声が弾んでいることに気付いていた。
会社では中間管理職。
部下の前では気をはって、取引先にはせっつかれ、
毎日気の休まる暇がない。
そんな日々のストレス発散にと、独学で始めたトランペットを
部屋や河川敷で練習していたら、
「おじちゃん、ヘタクソ~!」という子どもの笑い声が。
...自分ではそこそこ上手くなってきたんじゃないか
と思っていただけに、正直、ショックだ。
発散どころではない。
ああ、人に聴かせられるくらいになって、
思いっきり吹きたい!!

「ヤマハ大人の音楽レッスン」
2017年のキャンペーンは、
20代から60代までの人物設定で、
10名のモデル撮影が行われました。
ですが、実はちょっとだけ秘密があるんです。
それは、たった一人のタレントさんが
すべての役を演じているということ。
さて、あなたはすぐに分かりましたか?



都内のスタジオで初日はレディースDay、
2日目はメンズDayと、
一人で演じる山ノ内凱旋さんの
気持ちの切り替えも考慮して行われた撮影風景。
“5人兄妹で男は自分一人だけ”
という中で育ってきたせいか、
実は女性役の撮影よりも、
男性役の撮影のほうが難航したという噂も...。

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